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3人乗り自転車この秋市販へ

●親子3人乗り自転車の開発は最終段階に

去る4日、東京都葛飾区内の公園で、幼児2人を同時に乗せられる「親子3人乗り自転車」の最終試作車の試乗会が、実際に子育て中の母親たちを招待して開催された。

自転車の「親子3人乗り」と言えば、ちょうど1年前の昨年春、昨年6月から実施される予定の「交通の教則」の改正案で『禁止(再)徹底』も盛り込まれる予定と報じられ、子育て中の母親たち、なかでも幼児が2人いる人たちから「幼児2人を同時に連れて外出しづらくなる」と反対の声が上がったことは記憶に新しい。

結局、警察庁は「安全な親子3人乗り自転車」の開発・実用化を前提に、当該の自転車での親子3人乗りは容認することに方針を変更し、昨年6月の「交通の教則」の改正に、『(親子)3人乗りの禁止徹底』を盛り込むことは取りやめている。


●そもそも自転車は「2人乗り」も禁止、「3人乗り」は論外

誤解しないでほしいのは、警察庁はそれまで合法だった「自転車の親子3人乗り」を、新たに規制の対象にしようとしたのではない。そもそも、自転車は「2人乗り」も禁止されている。

但し、16歳以上の人が、6歳未満の幼児を1人だけ、自転車のハンドルまたは後部の荷台のどちらかに取りつけた幼児用座席に同乗させる形態の「親子2人乗り」については、各都道府県の道路交通規則(公安委員会規則)で、2人乗り禁止の例外として認められている。

なお、一部の自治体では、上記の状況のときに子どもをもう1人、自転車を運転する16歳以上の人がおんぶ紐などでしっかりとおんぶしていれば、さらに例外的に「3人乗り」も認められている。

しかし、街中でよく見かける、自転車のハンドルと後部の荷台の両方に幼児用座席を取りつけての「3人乗り」は、現状、どの都道府県の交通規則でも認められていない。


●昨年の「規制徹底」騒動の経緯

自転車は「3人乗り」はおろか「2人乗り」も禁止であり、なぜ1年前にその『禁止(再)徹底』が話題になったかだが、それは、禁止徹底のために、違反した場合の罰則が規定されたからである。

それ以前、自転車の各種交通違反については、法律(交通教則)で行為そのものは禁止されているものの、罰則が規定されていなかったため取締りの実効性に乏しいものも多かった。自転車の各種交通違反(≒危険な運転)について、違反の内容に応じた罰則を規定して、取締りの実効性を高めようとしたというのが、昨年の「交通の教則」改正だった。

では、なぜ自転車の各種交通違反がクローズアップされたかだが、交通事故防止対策において、自転車、特に歩道上での「自転車対歩行者」の事故防止が重要になってきたからである。

自転車は交通法規の上では「車両」であり、車道通行が原則である(「交通の教則」の改正では、その点も再徹底されている)。しかし、昭和40年代の自動車急増期、「交通戦争」と言われた交通事故急増の中で、「自動車対自転車」の事故防止のため緊急避難的に自転車の歩道走行が許容され、今日に至っている。

こうして、自転車の歩道走行が何となく当たり前のように思われているなか、ここ数年、「自転車対歩行者」の重大事故が目立ってきたため、事故につながりやすい自転車の危険行為について、罰則を規定することで取締りの実効性を高めようとしたのである。

その規制対象には「携帯電話をしながら」「ヘッドホンで音楽を聴きながら」などの危険な運転とともに、「2人乗りなどの乗車人数違反」も含められ、それぞれに違反した場合の罰則も示された。「乗車人数違反」についても罰則が示され、これが大きく報じられたことで、「自転車親子3人乗りが禁止される」と話題になったのである。


●安全な「親子3人乗り自転車」は市販化へ、ただし3人乗りの全面的容認ではない

4日の試乗会には自転車メーカー8社10機種の「親子3人乗り自転車」が出品された。各メーカーは、参加した母親たちの意見なども参考に開発を進め、早ければこの秋にも、「法律で許される親子3人乗り自転車」が市販される見込みである。このことは、素直に歓迎したい。

おそらく、合法の「安全な親子3人乗り自転車」がある程度普及したと判断された時点(2~数年後)で、昨年の「交通の教則」改正で見送られた、「(例外的に認められている場合及び安全な3人乗り自転車以外の)親子3人乗りの禁止」についても、罰則つきで明文化されるだろう。いずれにせよ、現在見かけることの多い『自転車のハンドルと後部の荷台の両方に幼児用座席を取りつけての「3人乗り」』というスタイルが合法となることは、残念ながらないだろう。

なお、「安全な親子3人乗り自転車」は、その構造の特殊さなどから、当初はかなりの価格になるもようだ。一般的な自転車、特に、「ママチャリ」と呼ばれている女性用の街乗り自転車は、中国製などでかなり安価なものも出回っているところ、「3人乗り自転車」の価格が普及のネックになることもまた、十分想定される。「3人乗り自転車」を適切な期間および料金でレンタルできる制度なども、あわせて期待したい。


ベビカムウィークリーリサーチ VOL.29 「自転車3人乗り」への規制徹底?! 賛成? 反対?


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