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家族の週間は残業禁止の企業

●11月16日は「家族の日」

昨年から政府が始めた「家族・地域のきずなを再生する国民運動」では、11月の第3日曜日を「家族の日」、その前後1週間を「家族の週間」と設定している。このなかでは、仕事中心の生活から、家族や地域とのつながりも重視する生活への意識の転換、いわゆる「ワーク・ライフ・バランス」の推進に向けた啓発活動などが実施されている。

今年は11月16日が「家族の日」だ。折りしも、前日15日は子どもの健やかな成長を感謝する七五三で、今度の土日は、家族のつながりや子どものいる生活の尊さを、再認識する週末なのかもしれない。

とは言うものの、厳しさを増す昨今の経済情勢の下では、企業は人員をぎりぎりまで絞り込んでいたりするため、社員1人当たりの業務量が増加し、長時間の残業や休日出勤などで、ゆっくり家族と向き合うことが難しい状況は珍しくない。


●「家族の週間」の間、残業を禁止する企業

総合エネルギー企業のENEOS(新日本石油)は、今年の「家族の日・家族の週間」(11月16日をはさんだ9日~22日の2週間)に合わせて、「家族の週間は労働時間の縮減(残業や休日出勤の禁止)を徹底するので、社員は何が何でも早く帰宅して子どもや家族と過ごし、明日への活力を養うように」という社員向けメッセージを、社長自らが発信している。合わせて、そうした取組みを実施していることを、ニュースリリースとして広く社会に向けても発表している。


●広く社会に向けて発表することのインパクト

「ノー残業デー」と呼ばれる日(曜日)がある企業等は多いが、それが有名無実化しているところも多い。このENEOSの取組みも、言葉だけでしょう・・・と思う人もいるだろう。

ただ、たとえそうであっても社長自身が発信している意味は大きい。残業や休日出勤を無理強いする上司がいたとしても、部下は「社長の意に反します」と堂々と反論できる。

それ以上に、そのことを広く社会に向けて発表していることにインパクトがある。

社長が「残業や休日出勤なし」を宣言しているなかで、例えば、残業でオフィスに深夜までこうこうと明かりがついていれば、社長の言っていることは「うそ」になる。広く発信したという社会的責任から、「残業や休日出勤なし」の徹底を社員に求めるだろう。結果として、労働時間の縮減につながる可能性も大いにある。


●そうした取組みを実行する真のねらい

もちろん、企業がそうした取組みを行うのは、「ワーク・ライフ・バランス」の改善で、社員にとって魅力的な職場作りをめざすという意図もあろうが、真のねらいは、違うところにあるのかもしれない。

それを解く鍵は、「ノー残業デー」が1日だけではなく、11月6日~22日までの2週間連続で、「残業や休日出勤の禁止」を徹底するところにある。

1日だけのことなら、仕事をやり残して早く帰ることは可能だ。しかし、2週間連続ともなると、よほど日常業務の段取りなり手順なりを改善しないと、必要な業務はこなせない。冒頭に述べた通り、昨今の経済情勢により企業は人員を絞り込む方向であるが、その中で、業績を維持・発展させていくためには、社員1人ひとりの生産性向上が不可欠だ。企業全体の生産性向上に、社員1人ひとりの創意工夫を引き出そうというねらいもあるのかもしない。

いずれにせよ、早く帰宅して家族と向き合う時間が増えるのはよいことだ。こうした取組みは、ただちに効果が現われるものではないが、少しずつ賛同する企業などが増えていくことで、定着し効果が現われてくる。同様な取組みを行う企業が増えるきっかけになることを望みたい。


ENEOS(新日本石油)ホームページ
 (画面下のニュースリリース『「家族の日」・「家族の週間」の取組み実施について』を参照)


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