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子どもの事故
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思いのほか強い赤ちゃんの力

●洗い場用ベビーバスチェアを浴槽内で使用して事故

10月15日付の朝日新聞(同社Webサイト「asahi.com」)の記事によれば、『兵庫県内で今年8月、入浴補助いすが湯を張った浴槽内で倒れ、乗っていた生後7ヶ月の乳児が死亡していた』とのことだ。
(元記事URLは http://www.asahi.com/national/update/1015/TKY200810150282.html 以下、『 』内は同記事の引用)

「入浴補助いす」とは、みなさんになじみのある言葉(商品名)で言えば、「ベビーバスチェア」だろう。実際、記事でも『この補助いすは本来は洗い場用で、メーカーの取り扱い説明書も浴槽で使わないよう求めていた。』と報じられている。

にもかかわらず、この乳児の親はベビーバスチェアを浴槽内で使用したようだ。『事故時、浴槽には底から約20センチまで湯が張られ、補助いすに座った乳児の体の大半が出ていた』状況のようであるが、何らかのはずみで乳児がいすごと倒れて、溺死につながったようである。

●この事故の原因は?

事故が報道内容の通りであるとすれば、最大の問題点は「製品の取り扱い説明書の記載に従わなかったこと」であるのは言うまでもない。しかし、これは事故(乳児がいすごと倒れてしまったこと)の直接の原因ではない。直接の原因は、乳児がいすごと倒れるような、何らかの力が加わったことである。

このことを考えるうえで参考になるのが、一時期事故の頻発が報じられた「折りたたみ式おむつ交換台からの転落」だ。

●「折りたたみ式おむつ交換台からの転落事故」の状況

2007年10月の国民生活センターの発表によると、デパートやショッピングセンター、公共施設など(の多目的トイレ内)に設置されているおむつ交換台あるいはおむつ交換ベッドから乳幼児が転落したと判断できる事故は18件発生していた。うち1件では、転落した生後4ヶ月の乳児が頭蓋骨骨折の重傷を負っている。

この重傷事故のとき、母親はおむつ交換中ではなく、交換後に自分の手洗いをしていた。おむつ交換台のベルトで赤ちゃんを留めていたので「大丈夫だろう」と目を離した十数秒の間に、乳児が自分の足で台を蹴って、ベルトから抜け出してしまったため転落したのだ。

●思いのほか強い赤ちゃんの力

この「おむつ交換台からの転落事故」の直接の原因は、母親が思いもよらなかった、赤ちゃん自身の脚力(足の筋力)である。こうしてみると、冒頭で取り上げた「ベビーバスチェアに乗せられた乳児が浴槽内で倒れた事故」の直接の原因も、乳児自身の力(乳児自身が動いたこと)ではないかという類推ができる。

ましてや、20センチとはいえお湯を張っていた浴槽内での事故だったということは、浮力も作用していたから、乳児自身が浴槽の底面なり側面なりを手で押したり足で蹴ったりしたことで、いすごと倒れたという推測はじゅうぶん成り立つ。

もちろん、今回取り上げたベビーバスチェアの事故では、目を離していなければすぐに助けられただろうに・・・という点で、目を離していた(らしい)ことも問題だろう。ただ、この件にせよ、おむつ交換台での事故にせよ、「目を離してしまう」心理の裏にあるのは、「赤ちゃんはまだ○○しないだろう、できないだろう・・・」という油断だ。

よく言われるように、「昨日できなかったことが今日できるようになっている」「朝できなかったことが夕方にはできるようになっている」のが子どもだ。
育児用の便利グッズや、公共の場の設備を使うときには、「取り扱い説明書」や「注意書き」に従うのはもちろんのこと、日々成長している赤ちゃんにとって今安全か?と常に自分の目で確かめるようにしたい。


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