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おっぱいのおはなし ベビーの水分補給

おっぱいとあかちゃんのおはなし

おっぱいの役割とは

赤ちゃんは生きるためのすべてを「おっぱい」からもらっているといってもいいぐらい、おっぱいは重要です。まず第一に、母乳には赤ちゃんが成長するために必要なたんぱく質、脂肪、糖質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素がバランスよく含まれています。生まれたばかりの赤ちゃんでも上手に消化吸収できるように、ほどよい内容、濃さになっています。

さらに母乳には、免疫物質も豊富に含まれていて、細菌やウイルスなどの病気から赤ちゃんを守る力も発揮します。とくに出産後2〜3日に分泌される初乳には、いろいろな免疫物質が含まれています。母乳は飲ませているうちに、どんどん出るようになります。授乳するときは、赤ちゃんとの会話を楽しみながら、たくさんスキンシップをして飲ませましょう。

また最近では、将来ものをかんで食べる「咀嚼(そしゃく)」の力も、おっぱい時代から関係があるといわれています。赤ちゃんは、舌とそしゃく筋やあごを使っておっぱいを飲むことで、かむ力を育て、歯の基礎づくりをしていると考えられています。

おっぱいの成分

おっぱいの栄養素とは

動物の乳には、体の組織を作るたんぱく質、エネルギー源の脂肪、脳と中枢神経の発達に欠かせない乳糖(ラクトース)とビタミン、ミネラル、塩、ホルモンなどが含まれています。しかし、成分の比率は動物によって違い、どのように成長するかによって違います。 人間の赤ちゃんは,生まれた時は3キロ前後の体重が6カ月には7〜8キロとなり、脳や運動機能も発達します。 たんぱく質というと、牛乳を想像する人が多いのですが、牛乳のたんぱく質は固まりやすいたんぱく質が多く、母乳は消化によい栄養価の高いたんぱく質が含まれています。

母乳中の脂肪は、重要なエネルギー源であり脳と神経系の発達に必要なものです。母乳の脂肪は、他の動物の脂肪と比べて吸収されやすいのも特徴です。乳糖(ラクトース)は、脳と中枢神経の発達に役立ち、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。母乳中のラクトースは、人工乳より多く含まれています。それで赤ちゃんは、生後6カ月ころまで母乳だけで育つことができるのです。

おっぱいと水分

水分が失われやすいあかちゃんのからだ

水分が失われやすいあかちゃんのからだ

もともと、人間のからだは水分を多く含んでいます。大人では体重の約60%、赤ちゃんは約70%が水分です。この水分は、「体液」といい、酸素や栄養素を体の中へ運び老廃物を外へ出すという働きを持っています。このように、からだにとってとっても大切な「体液」ですが、赤ちゃんは、体内の水分が十分に確保されていない状態つまり「脱水」になりやすいと言われています。それはどうしてでしょうか。 まず1つめは、赤ちゃんの腎臓が未熟なために起こります。

赤ちゃんは、おしっこを濃縮にすることができず、水分の多いおしっこしか排出できません。つまり大人より、おしっこで水分がたくさん失われてしまうのです。2つめは、赤ちゃんはとても汗かきで、そのため水分が奪われやすい…という理由。暑い時期、赤ちゃんはさらに汗っかきに。私たちがお風呂上がりにビールが飲みたくなるように、赤ちゃんにも水分補給が必要になります。

このように、赤ちゃんの水分はとても失われやすい状態にあるので、赤ちゃんへの上手な水分補給はとても大事。赤ちゃんにとっての栄養の基本である、母乳やミルクをベースに、必要に応じて、湯冷まし、番茶、イオン飲料などを、おっぱいの出方に合わせて与えましょう。3カ月頃から少しずつ果汁を始めますが、これは離乳準備の味ならしです。

また、熱が出たり、下痢をしたり、吐いてしまったりしたら、急激に体の水分は失われてしまいます。そのときどきの水分補給の方法は、かかりつけの先生に確認しておきましょう。

おっぱいは妊娠中から準備

おっぱいを出すために

妊婦さんに「赤ちゃんが産まれたら母乳をあげたいか」と質問すると、だいたいの人は「出るのなら母乳で育てたい」と答えます。さて、母乳はどのようにして、出るのでしょうか。妊娠すると、ホルモン分泌の変化と共にお母さんのからだに変化が起こります。おっぱいもそうで、乳腺や乳腺組織が発達してきます。そのため、妊娠初期には、圧痛や緊満を感じたりしながら、だんだんおっぱいは大きくなります。また、乳輪や乳首も黒ずんできます。母乳は、乳房の奥にある乳腺で作られます。 乳腺で作られたおっぱいは、乳管を通って乳管洞(乳輪あたり)に一時貯められます。

赤ちゃんが乳輪まで含んで吸うと、おっぱいが出てきます。妊娠後期には、初乳が出てくることもあります。妊娠中から体の中ではおっぱいを作るための準備がされています。それではみなさんは、どのような準備が必要でしょうか。特に丹念なマッサージなどは必要ありませんが、皮膚の乾燥を防ぐために後期に入ったら石けんで洗うのは避けたほうが無難です。 乾燥すると乳首が傷つきやすくなり、赤ちゃんが吸うと切れたりすることもあります。

他には、乳首を丈夫にするためにブラジャーをはずして、直接シャツを着るなどしてください。おっぱいを出すコツは、赤ちゃんが産まれたらできるだけ早くおっぱいを吸わせる、かつ何回も吸わせることが大切です。

おっぱいとママの食事

栄養バランスを考えて

おっぱいは血液でできており、乳腺で作られます。乳腺で作られたおっぱいは、乳管を通って乳管洞(乳輪あたり)に一時貯められ、赤ちゃんが乳輪まで含んで吸うと、おっぱいがでてきます。そして血液は、みなさんが食べている食物が源です。おっぱいは、食べ物との関係が深いのです。

よく、「おっぱいにいい食べ物は何ですか?」と聞かれます。「赤ちゃんのためにおっぱいをたくさん出したい」と願うことは、当然のことでしょう。 昔は、「3日ぼた餅」と言って、産後の3日目にぼた餅を食べると、おっぱいがよく出ると言われていたようです。食べ物が少ない時代には、甘いあんことお餅がよかったのでしょう。今でもその慣習を守って、産後のおみやげにぼた餅を持っていらっしゃるおばあさまもいらっしゃるのではないでしょうか? では、今の時代はどうでしょうか。

おっぱいをあげているときは、妊娠中よりも栄養必要量は多くなります。だからといって、食べ過ぎには注意してください。基本的には、バランスのよい食べ物を摂ることが肝心です。乳腺の働きやおっぱいの出方は、個人差があります。時におっぱいが出過ぎたり、痛くなったり、しこったりすることがあります。このようなときは、乳腺炎になりやすくなります。 乳腺炎は、乳腺・乳管のつまりや乳首のキズが原因となります。赤ちゃんは、とてもおっぱいの味に敏感です。乳腺炎になったおっぱいを、時として飲まなくなることもあります。乳腺や乳管のつまりやすい食べ物は、カロリー価の高い食べ物です。餅、肉料理(動物性脂肪)、油料理や乳製品のとりすぎに注意しましょう。

おっぱいとさよならする時

赤ちゃんの自立を目的に

おっぱいとさよならする時

公園に行くとお母さんたちは、「うちは、これを食べられるようになった」とか、「おっぱいはもうやめられた」といった会話で盛り上がります。話をしているお母さんは、いかにも「すごいでしょ」というふうに。そうすると、他の人は、「うちも食べさせなきゃ」「おっぱいやめなきゃ」と競うように子どもに強いりがちになります。

今まで幸せに飲んでいたおっぱいを親の都合で急にやめさせたり、他のものを無理に与えられたりすると、お子さんは、「私の、ボクの身にもなって!」と叫んでいるかもしれません。「断乳」という言葉は、ほとんどの人が知っていると思います。「断乳はいつ頃どのようにするとよいのか」とおっぱいをあげているうちから、悩んでいる人も少なくありません。

この「断乳」は、無理矢理にでも赤ちゃんをおっぱいから断たせるいう考え方です。しかし子どもによって、「おっぱいをさよならする」時期やタイミングは違います。 赤ちゃんが成長すると自分から自立するという考え方があり、子どもが自ら「おっぱいをさよならする」ことを、「自然卒乳」といいます。お母さんが焦っていつまでにやめようと思わないで、「子どもは必ず乳離れするのだから待ってみよう」と思う気持ちが大切です。

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