子育てに追われるようになっても

  • 2017-04-30 10:56
  • 一般公開
  • テーマ:おすすめの本
結婚や出産など新たな家族が増えると、親類縁者へ手紙などを書く機会が増えるものです。そんなとき、気の利いた言葉や言い回しが出てくるといいのですが、使いかたに自信がない人も多いのではないでしょうか。

例えば「相舅<あいやけ>=嫁と婿、双方の親同士」は、書き言葉では、便利に使える言葉ですし、「岳父<がくふ>(=妻の父)」「丈母<じょうぼ>(=妻の母)」も使える機会が多い言葉です。舅<しゅうと>や姑<しゅうとめ>はご存知の通り。丁寧語にするならば下に「御」をつけて、「舅御」「姑御」となります。

人の子の親になるにあたって、難しいけれど、味わい深い日本語を使いこなせるとようなれば、きっと何かの一助になるはず。

子育てに追われるようになっても、合間を見つけて自分のために楽しむ時間というのも必要です。そんなとき、やはりおすすめなのは読書でしょう。今回は、私の愛読書「巷談話事典」(河出文庫)をご紹介します。

本書は、高橋敏夫が解説で「言葉の権威(定型)」を突き崩す110の紙つべてです」と紹介している通り、「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを愉快に、愉快なことは真面目に書くこと」を信条とした井上ひさしの世界を思う存分楽しむことができます。

読みながら、つい一人で笑ってしまうため、電車の中で読むには気が引けてしまうほど。家でゆっくり楽しみたい一冊です。毎日の暮らしの中で、心を豊かに生きていくのも自分次第。連休中は何かと忙しいことと思いますが、興味がある人は是非ご一読ください。

夏日を思わせる4月の終わりに、杉山一平の一篇の詩が心をよぎります。

「風鈴」(日本の現代詩文庫・「杉山一平詩集」より)
かすかな風に
風鈴が鳴ってゐる
目をつむると
神様 あなたが
汗した人のために
氷の浮かんだコップの
匙をうごかしてをられるのが
きこえます


私の大好きな詩を紹介して今回のブログの締めくくりとします。こういう神様の存在を信じられるからこそ、いつも私はルンルンとしていられるのでしょう。
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  • ちゃまろん
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