【ベビカム シニア・アドバイザー】聖母病院看護部長・助産師

【第31回】知っておきたいお産の処置

  • 2015-06-29 16:35
  • 一般公開
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お産のイメージは人それぞれ

みなさんは、どのようなお産を希望していますか? 「人並みならいい」「浣腸はイヤ」「自然分娩できたらそれでいい」「おまかせするしかない」など…。人それぞれに、お産のイメージは漠然としていて、人や本から得た情報の一部から、想像しているのだと思います。でも、お産の経過とその時に行う処置について、あらかじめ知っておくと、イメージがより具体的になり、自分の考えが見えてきます。実際は、想像していた経過とは異なることも多いのですが、ケアや処置の必要性について理解できていると、納得できるようになります。

出産時の処置

お産の時に行う処置としては、浣腸・剃毛・点滴・会陰切開などがあります。ただ、それが絶対必要なものかというとEBM(根拠に基づいた医療)では、からなずしもそうではありません。慣例的に行っている産院や病院もあれば、対応が違う所もあります。もちろんこれらの処置が必要な場合も出てきますので、母親学級等であらかじめ処置の仕方や対応を確認しておくといいと思います。

またお産の時に誰がついてくれるのか、家族が立ち会っていいのか、どのようなケアがあるのか、ということも、知っておくと、安心してお産を迎えられます。そのようなことに制約がない所もありますし、厳重な決まりがある場合もあります。できれば、妊娠中に待機室や分娩室を見学できるといいですね。

フリースタイル出産

出産というと、分娩台で上を向いていきむという光景を想像しますが、フリースタイルといって、横向きやよつばい等でもお産はできます。助産院なら比較的フリースタイルに対応しやすく、また他でも対応できるところは増えてきています。必ずしも分娩台でお産しなくてもいいという考え方もあるのです。

どのスタイルがいいのかは、その方によって違いますし、長所短所があります。その時に自分がどの格好が楽かということを実感し、伝えることができればそれが本来のフリースタイルではないでしょうか。

帝王切開について

妊娠中ほとんどの方は、自分が帝王切開術をするとは思っていません。しかし、帝王切開術のお産も必ずあります。適応条件は色々ありますが、お産する施設によっても多少異なりますので、選択する上でも目安になります。お産の途中で急遽決まる場合は、母子の命を優先に考え、決めてからどのくらいの時間で手術できるのかがとても重要です。

お産の経過がなかなか進まず辛くなると「もう止めたい、逃げたい」と思うものです。そうすると「帝王切開にして下さい。もう無理です」と言いたくなりますが、帝王切開術も手術なので100%安全ではなく、リスクもあることを知っておいてください。

あなたの「バースプラン」は?

このように、自分はどう思っているのか、何を大切にして出産したいのかを確認し、「バースプラン」を書くことによって、自分の気持ちが整理されますし、担当の医師や助産師との信頼関係もより高まります。今まで行っていなかったことでも、受け入れてくれる場合もありますので、まずは相談してみましょう。しかし、このプランは、誰かがしてくれるものではありません。プランを実行するために、何が必要かを考えることも必要です。

(2005.2)
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