今週の分かるわ~のページお子さんは生後 13歳 6ヶ月(4953 日目)

 

ぽてぽてさんが来る

  • 2015-04-29 20:45
  • 一般公開
  • テーマ:
今夜は、宿題がある。

宿題とは仕事のことである。
「クリエーター」と呼ばれる者は、
学校を卒業しても宿題から逃れることは出来ない。
それは母になったとて変わらない。
子どもがまだ小さい場合、
子どもが起きている間に宿題をやるのはまず不可能だ。

「のど乾いた〜」
「遊んで〜」
「妖怪〜」
「おしりボーン!!」

さすがにこのような中であまりモノを考えられないので、
母はしばしば拷問に耐えねばならなくなる。
子どもといっしょに布団にいっしょに入り、
子どもだけ寝かせ自分は起きて、宿題をするという拷問に。

これはつらい。

なんだこの布団の気持ち良さは。
電気消したら眠くなるのは自然の摂理だろう。

戦う相手は睡魔と、おのれである。
そして

「今やらなくてもなんとかなるだろ」
「仕事も育児もテキトーで何が悪い!」

という開き直りが脳内でおこり、
結果、子どもより早く寝てしまう‥。

そしてあっという間に朝が来るのだが、
気が小さいので5時の目覚ましでとりあえず起きる。
残された時間は2時間。
やはり宿題はやらねばならない。

しばらくはリビングのテーブルでつっぷし、眠気と戦う。
同業の夫も同じく宿題をやるため起きてくる。

「ちょっとぉおお眠いぃいいい!!もう嫌だ!!!」

特に悪いこともしていない夫に向かって私は叫ぶ。
かろうじて開く片目でPCを立ち上げ、

「まぶしいわバカ!!」

と画面の明るさレベルを下げる。
そんなこんなで10分もたつと目が覚め、
眠気が去ると朝はやはりはかどる。

時刻は5時40分。
よし、7時までにはなんとかなる‥。


「キィ〜」


‥不吉な音が響く。


「ぽて、ぽて、ぽて、」


‥あれは、寝室の扉が開き、何かが動き出した音。
恐れていた音。恐れていた事態。

そう、あれは、ぽてぽてさんが歩く音。

「かあが〜〜〜〜!!」(娘は私を「かあか」と呼ぶ)

超・不機嫌な顔で、娘が
シロクマのぬいぐるみを抱えて起きてくるのだ。

3歳になるまで2時間起きに泣き、
5歳を超えても父母の不在を敏感に察知しては
ぽてぽてと起き出してくるウチの娘。
私と夫は、彼女を「ぽてぽてさん」と呼ぶ。

ぽてぽてさんが来たからには、道はみっつ。
あきらめていっしょに寝るか、説得してみるか。

「かあかおしごとだからさー、そこ(ソファ)で寝ててくれる?」

「ムギャーヤ!!」

無理ですか。そうですか。
私はしかたなく16キロの娘(とシロクマ)を左手で抱きながら
右手でキーボードをたたく。
みっつめの最後の手段である。


そういうことを繰り返し、
きっといつの間にかぽてぽてさんはいなくなり、
いつの間にか子育ては終わるのだろう。

今日もぽてぽてさんは来るかしら。
どこか期待している私がいる。


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